こんなセミナーでした!
POINT1:一番大事なことはお客さんの視点で考えること
POINT2:ターゲットを取り巻くシーンを司る対人関係を考える
POINT3:生涯顧客をつくる
第67回MACHIBIYAセミナーは、山本聖氏にご講演いただきました!
ヒット商品開発プロデューサーの山本様が考える地域づくりに必要なことは何か、山本様の経験談とともにお話頂きました。
ヒット商品開発において…
商品は買って売れるまでがプロセスです。
その売るまでには、作る→流す(運ぶ)→伝える の3つのプロセスがあります。
そのなかで、山本様は売れる商品はどこを流れているのかを見ているそうです。
そして、一番大事な事はお客様視点で考えることです。それを考えられている人が生き残っていきます。
地域の方は作ることに集中しがちで出口を忘れがちです。
「いいものつくった」って思っても、いいものかどうかを決めるのはお客さまなのです。
ブランディングシート
山本様が実際に仕事を行う際に用いる「ブランディングシート」を使ってお話頂きました。
このシートを埋めていく際の大事なポイントを教えて頂きました。
まず、5番の「誰によってどう使われているか」を考えることです。これは前に述べたお客様目線で考えることにつながりますね。
次に、6番の「売れることによって何が起こるか」を考えることは地域を元気にするのにとても大事になってきます。なぜなら地域商品を売るためには使ったお客様、作り手が出会い、関係を作れることが必要だからです。
売れるポイント
①お客さん消費者ニーズを知る。知っている人と仲間になる。
②自分史を知る。売っている自分たちが誰なのかを知る。「付加価値」「ストーリー」を作る。
③地域名を関した「地域ブランド」をつくる
④見せ方(売り場づくり)を知る
⑤流通を知る
誰に?どのようなシーンで?
売れる商品を作る際に、ターゲットを取り巻くシーンを司る対人関係を考えることが大切です。
なぜならターゲットには「暮らし」があります。購買者が使うために買うとは限らないのです。贈答品はその良い例ですね。
また、使用シーンを考えることは、「シーン・暮らしを想定して、その暮らしの中にそのものを置く」ことをイメージすると良いです。
例えば…
萩の月は中は小箱で1つずつ包装してある→会社で配るため
ディズニーのお土産→中身より箱など見た目にこだわっている
ブランディング出来ている会社
・マザーハウス
「途上国から世界に通用するブランドを作る」というテーマ。
ブランディングシートの6.ビジョン・将来展望がしっかりしている。
マザーハウスには志しでファンになって買っていく購買者が多いそうです。
・アタオ神戸のストーリー
神戸のカバン屋。
トレンチコートに合うバッグがテーマ。
ブランドポリシーが「親子三代続く」で、メンテナンスに力を入れる。
・イチローズファースト
秩父の醸造所。ウィスキーブームのパイオニア。
入手困難なウィスキーだったが「地元の酒屋ではこのウィスキーを買うことができる」という状況を作っていた。
ウィスキー好きの聖地になることで地域のことを知ってもらえる。
これらの例から丁寧にお客さんとつながっていって「生涯顧客」を作ることが大事だということがわかりますね。これが売れていくポイントなのです!
売れる商品と地域ブランド
有名なブランドを見てみるとロゴの下に地名が入っているものが沢山ありますよね。
Tiffany&Co.やChanel、kate spadeなどなど…
なぜ地名が書かれているのか知っていますか?
それは、売れる商品になると必ず聖地巡礼が起こるからです。
シャネルは現地で買うことを目的に訪れるひとがいるほどです。
それがブランドの力なのですね。
マザーハウスやアタオがやってきたような会社のブランディングを地域のブランドが行っていけば、売れる地域商品を作ることができます。
つまり売れるブランド作りと地域ブランディングは似ているのです!
山本様の宇和島の高校での活動
SPH(スーパープロフェッショナルハイスクール)という専門学校用の制度で、宇和島水産高校の高校生と活動されました。
宇和島市を練りものの聖地として、人が来ていないエリアをブランディングするにはどうすればよいか。地域の学生ならではの面白い案がたくさんでたそうです。
実際に高校生が考えた案を市長に提案されました。
やはり地域活性化には若者の発想が大切なのですね!
質疑応答
Q.山本さんのやっていることは、バイヤーから始まったが、何故バイヤーを選んだのか。
A.当時大望があったわけではないが、たまたま天職だった。
どの仕事についていても、楽しみたいとか、人を幸せにしたいとかいう思いがあるのが川偉ない。プロセスは適当だが、始めてからが大切。
Q.「生涯顧客」と持続可能に継続的に関係を作っていくうえで大切にしていることはある?
A.商品サービスをどういう人にどう使ってほしい?という部分を大切にしていく。商品だけでなく、生産者にどんな思いがあるのかは大切にしている。
「生涯顧客」は事業の当事者。その活動に一緒に入ることで幸せを感じてもらう。
オーナーツリー制度。ロイヤルカスタマーには~とかあるが、なるべく交わることを意識している。
MACHIBIYAインタビュー
Q.オススメの本は?
A.山本さん著の「東京で勝てるブランドのつくりかた 地元で愛され全国区へ」「世界ナンバーワンの日本の小さな会社」
Q.オススメのまちは?
A.「人に出会えるまち」会話ができるまち。逆に人が来ていても話す機会がないまちはどこも一緒に感じる。
Q.大事にしている言葉は?
A.「チーム」一人でできることはほとんどない。モノ作りは一人でできることはない。強いところを持った人を集めて、強い部分を活かしていく。
ハーネーションもあるが、そこを束ねる人も必要。
まとめ
今回はヒット商品開発プロデューサーの山本聖様をお呼びして、モノを売る立場から考える地域活性化についてご講演頂きました。
売れる商品を作るためにどうお客様をとらえていくのか考える良い機会になりました。
お客様の視点やシーンを考えることは、当たり前のように思えるけれど、実は見逃しがちで、とても大切なことであると思いました。
また、たくさんの地域で商品開発に携わっている山本様の実際の活動をお聞きでき、若者が地域活性化に重要な役割を担っていることを再確認できました。
次回のセミナーの詳細は決まり次第随時お知らせしますので、今回参加できなかった方も是非ご参加ください!
◇講師プロフィール
山本 聖(やまもと さとし)氏
1968 年神奈川県川崎市生まれ。
元㈱小田急百貨店商品統括部マーチャンダイザー。小田急百貨店時代は「大手外資ブランドに負けない!」をテーマに国内ブランドの発掘と育成に努める。『マザーハウス』や『今治タオル』にいち早く着目したカリスマバイヤーとして業界では有名。
現在、一般社団法人地球MD代表理事として「本気で勝てる地域ブランドづくり」に情熱を捧げている。
主な著書
「東京で勝てるブランドのつくりかた 地元で愛され全国区へ」
「世界ナンバーワンの日本の小さな会社」
(ソメスサドル代表取締役 染谷昇 氏を 徹底取材した一冊)
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