MACHIBIYAセミナー

【開催報告】「国内向けの売れる滞在コンテンツ造成の秘訣」【第76回MACHIBIYAセミナー】

こんにちは!MACHIBIYA 編集部です!
2020年10月22日に第76回MACHIBIYAセミナーを開催いたしました!

今回のテーマは『国内客向けの売れる滞在コンテンツ造成の秘訣』でした。
講師に「地域魅力発掘プロデューサー」の桜井 篤様をお招きし、観光コンテンツ作りのポイントを、雑誌編集者から行政まで多彩なご経験を元に講演していただきました!

こんなセミナーでした!

Point1: 地域らしさをどうコンテンツにするのか

Point2: 体験コンテンツに求められる要素とは何なのか

Point3: 桜井様おすすめ10人マーケティング

講師プロフィール:桜井篤 様

魅力発掘プロデューサー。1965年茨城県生まれ。早稲田大学卒。大手旅行会社を経て㈱リクルートへ。コピーライター、海外旅行情報誌「ABROAD」を経て「じゃらん九州」編集長に。「対前年伸び率1位」など実績多数。その後、佐賀市観光協会、魅力発掘プロデュース協会ほか千葉市 観光プロモーション課課長などを経て、魅力発掘プロデューサーとして、佐賀県や千葉県に移り住み、地域資源を物語化するなどして、楽しめる観光コンテンツを作り、観光による地域活性を提唱している。それぞれの赴任地で多数の体験型観光プランを創出し、『幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊』の創設プロデューサーおよび脚本家などを兼任して実践している。

 

講演の内容

■地域らしさをどうコンテンツにするのか

地域らしさとは、ブランド作りでの最初の一歩である。ブランドの象徴となる地域のシンボルをたてるための打ち手として、地域らしさを抽出しコンテンツ化していく

コンテンツ化のやり方には、①細分化する②分ける(他の地域との違いを見つける)③集める(共通項を探す)という3つがある。観光コンテンツとして打ち出すにあたって、「③集める」が重要となる。

例えば、長崎には老舗の菓子メーカーが多い。これは長崎街道が幕末に、南蛮から輸入した砂糖を運ぶ道であったことで、街道周辺で砂糖を使用したお菓子の文化が根付いたという歴史に由来する。この「砂糖」「菓子」という共通項・街道の歴史から、長崎街道はシュガーロードと命名され、日本遺産に登録された。

 

■体験コンテンツに求められる要素とは何なのか

多くのコンテンツが溢れている昨今、訪れる人々を「感動」の域へ持っていくことが重要である。「楽しかった」では不十分であり、5段階の5というフィードバックが得られねばならない。お客様が感動を体験することで初めて、口コミ、リピートという行動につながる。

では、「感動」を作るにはどうするか。ポイントは「今だけ、ここだけ、あなただけ」。「あなた、ちょうど良い日に来た!」と、何でもない日でも特別を演出してしまう。なぜならお客様にとっては旅行するその日が特別であるからだ。

このように、シーズン、場所など決して特別ではなくとも「特別」は意図的に作り出せる。この「今だけ、ここだけ、あなただけ」の特別要素によって感動する体験コンテンツを作ることができる。

 

■桜井様おすすめ10人マーケティング

なにか新プラン、新コンテンツを考えるとき「10人マーケティング」をする。これは自分の親しい友人10人を思い浮かべ、その中の誰にその新案が刺さるだろうかと考えてみるというものだ。

このとき、その10人の口癖や不満に思っていることなど細かくリサーチ出来ているほどイメージがしやすくなるので、日頃から観察眼を養うことがポイントである。

 

質疑応答

Q1. 国内向け、インバウンド向けにコンテンツを作るとき、それぞれで異なるポイントや注意点はあるか?

A1. 国内向け、インバウンド向けというお客様を基準に分類するという考え方はしていない。なぜなら、地域資源を発掘するにあたっては“本質”と“演出”を考えるから。「演出の仕方で、本質をどう引き出すか」に目を向けている。

 

Q2. 10人マーケティングについて、モニターツアーを予定しているのでブラッシュアップするために10人マーケティングを使ってみたいと思った。この手法で意識していることは何か?

A2. モニターツアーでのブラッシュアップの場合、親しい10人の集まりではないので、「before→after」の手法を使ってみると良い。参加者の事前情報(before)を調べておき、モニターツアーを通してどう変化したのか(after)を見てみるとよい。このとき、質問の聞き方を漠然としたものにすることで、相手の第一声に込められた本音を引き出すことができる。

 

Q3. 日本人が作った観光プランの中で外国人にとってタブーとなる為、意図的に外している項目があるが、逆に外国人目線・向けで作ったものの中で、日本人にとってタブーになるものはあるか?

A3. 講演で「自分」を主語にしたほうがいいと言ったが、その上でやってほしくないことは「外国人に受けると聞いたから」というだけで自分の価値観を照合しないスタンスで動くこと。「(仮に)自分は興味がないとしても、相手がそれを好きな理由はわかる」という状態をプロは目指すべき。まずは自分の主観を自分で作った上で、それとお客との価値観の違いなどを把握して、商品化することが肝心。

 

まとめ

桜井様のお話を受けて、「大学で習ったことが、経験者それも体験型観光の第一人者のような方から再度ご教授頂いたことで、重要度に気付けた。千葉の事例など、具体的事例を交えた説明でとても分かりやすかった。」といった参加者の好評をいただくことができました。

シンプルにまとめられたポイントとそれに関連する具体例の組み合わせで構成された今回のお話は、とても聞きやすく、なるほどと納得するものでした。参加者の皆さんにもたくさんの学びを持ち帰っていただけたのではないかと思います。

今回の講演を快諾してくださった桜井様、そして参加者の皆さま、本当にありがとうございました。

次回MACHIBIYAセミナーのお知らせ

10月29日(木)19:00~20:30にて、第77回MACHIBIYAセミナーを開催します。次回もオンラインでの開催となりますので、お気軽にご参加ください!

次回のテーマは『歴史的町並みとまちづくりのこれからー保全と活用と創造ー』です!

講師に東京都市大学大学院准教授の中島伸さんをお招きします。ぜひご参加ください!

参加登録はこちら

第77回MACHIBIYAセミナーの詳細はこちら

【10/29(木)開催】歴史的町並みとまちづくりのこれからー保全と活用と創造ー【第77回MACHIBIYAセミナー】

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