こんにちは!MACHIBIYA 編集部です!
2022年1月7日に第85回MACHIBIYAセミナーを開催いたしました!
今回のテーマは『世界中からファンを作る まち歩きガイドの秘訣とは』でした。
講師には京都でまち歩きガイドとして活躍している畑中綾様をお招きし、より良いまち歩きガイドをするためのプラン考案方法やSNSの使い方等、様々なノウハウについて講演してくださいました!
目次
畑中 綾様プロフィール
1991年生まれ。大阪の名物ガイド「はっちゃん」の愛称で親しまれる。2018年には経済産業省近畿経済産業局KANSAI魅力アップアワード特別賞を受賞。現在は京都でも街歩きツアーをし、学生へガイド研修など人材育成にも取り組む。
こんなセミナーでした!
POINT1:普段実施されていることのツアー内容と特徴
POINT2:まち歩きツアー造成のコツ
POINT3:まちの魅力を効果的に伝えるためにしている工夫とは?
POINT4:スキル面(写真の撮り方、SNSの活用術)
POINT5:参加したお客様が自分のファンになってもらうには
POINT1 普段されていることのツアー内容と特徴
京都府の八坂、祇園エリアを中心に約3時間ほどの観光ツアー。
例えば、インスタ映えツアーでは、インスタ映えする写真スポットや食べ物を紹介しながら、色々なところを巡っている。
このツアー紹介の時にも、ガイドをするうえで必要なノウハウを教えてくれた。
それは「ツアー中ではメモ帳をもて!そして使え!」ということ。この理由は、ガイドをしている際に出くわす日本の言葉を海外からきたお客様に分かりやすく伝えるためである。はっちゃんの例を用いると、ある時、台湾から来たツアー参加者の方から、犬矢来について「あれ何?」と聞かれたそう。普通であれば、犬矢来の説明を口頭でするだけかと思うが、はっちゃんは自分のメモに犬矢来と書いた上で、参加者に伝えた。ここでのポイントは、参加者が台湾出身で漢字が理解できることを踏まえ、漢字を見せながら説明し、イメージを沸きやすくしたことだ。
このように参加者に寄り添って、ガイドを行うところがはっちゃんの大きな特徴といえる。
POINT2 まち歩きツアー造成のコツ
造成のコツは3つある。
1つ目がスタートとゴールを決めること。
2つ目はメインで伝えたい場所を考えること。
3つ目はメインで伝えたいところの具体的な場所を何分間案内するのかを書き出すということである。
ここでのポイントは、ツアーの時間配分などプランに関して大雑把に計画すると、グダグダになってしまうため、綿密に考えておくということだ。はっちゃんの祇園ツアーでは、メインで伝えたいのが八坂神社であり、神社内で巡る場所も分刻みで考えられている。
このツアーのスケジューリングをするにあたって、はっちゃんが大事にしていることがある。それは「机上でプランを造成するのではなく、自身の足で現地に行った上で考える」ということ。この理由としては、現地に行ったほうが、イメージがしやすいからだ。実際に現地に行けば、「この橋のところで、こっちの方を向いて説明しよう」などとツアーをする際に具体的な行動を考えることが出来る。しかし、毎度現地に行くのは時間的にも費用的にも大きな負担がかかる。そこで、使うのが現地に行く代替手段として有効なのが、Googleのストリートビューである。ストリートビューであれば、現地に出向いたときと同様の感覚で、イメージすることができる。
POINT3 まちの魅力を効果的に伝えるためにしている工夫とは?
まちの魅力を効果的に伝えるための工夫は3つだ。
1つ目は「地域と連携を組む」。
2つ目は「必ずお店に問い合わせる」。
3つ目は「同じ場所を案内しても毎回、毎回新しい情報を必ずお伝えするように心がける」
まず1つ目の「地域と連携を組む」ついて!
このメリットはお客に紹介できるネタが増えることだ。ガイドブックなどの書籍を幾ら読んでも、そこには書いていない地域の事情というのがある。そのような暗黙知についても地域の人と関わることで新たに知ることが多い。他にも、その店ならではの専門用語がある際に、ガイド側が英訳するよりも、お店のスタッフが英語で伝えたほうがより正確なニュアンスで伝わるというメリットもあるため、地域との連携は欠かせない。
2の「必ずお店に問い合わせる」について!
問い合わせる内容としては、メニュー、食べ物(飲食店の場合)、場所などがある。現在SNSでお店に関する情報が簡単に取得できるが、実際のお店の情報がSNSの情報と異なる可能性は否めない。例えば、場所が少し違っていたというような些細な違いであれば問題ないが、宗教上の関係で肉を食べられない方や菜食主義の方が参加した場合、実際のメニューがSNSで知ったメニューと異なっていることは、非常に大きな問題になってしまう。そのようなリスクを事前に回避するためにも、お店に色々と確認をとる必要があるのだ。
3つ目の「新しい情報を必ずお伝えする」について!
毎度毎度でも同じ場所で同じ内容を説明していると正直ツアーしている方としても飽きてしまうだろう。しかし、「ガイドは絶対に飽きてはいけない。お客様がツアーのためにお金を払ってくれているのだから。だからこそ、常に日々新しい情報をお伝えする。」とはっちゃんは言う。新しい情報の発信方法だが、些細なことで良い。例えばお店から色々とネタを仕入れるとか、その土地の歴史の情報を調べて伝えるとかで良いのだ。はっちゃんはそれ以外にも取り組んでいることがあった。
それは
「世界中の言語におけるありがとうを覚えること」
「ご当地名産品」を覚えること」
ここで大事なのは、お客様との接点となる情報を覚えておくことで、
「あなたのこともっと知りたいんだよ」と、ガイドが参加者ともっと関わりたいということを伝えることができる。
POINT4 スキル面(写真の撮り方、SNSの活用術)
スキル面では写真の撮り方とSNSの使い方のコツについて説明があった。
まず、写真についてだが、寺社仏閣はポートレート機能にした方が、採光度が高いため綺麗に映るということ、また後からの加工しなくて良いという点でスクエアで撮ることを推奨していた。
SNSについては、はっちゃんはFacebookを推奨している。
理由としては、Facebookのページさえあれば、レビューが書くことができ、
すぐに反映されるからだ。またその際、Facebookの活用術についても教えてくださった。
その活用術とは「ツアーが終わった後、目の前でレビューを書いてもらうこと」だ。
この理由はツアーの最後であれば、ツアーの楽しかった余韻があるため、より高評価を得やすいからだ。反対に家に帰った後にレビューを書いてもらうと、ツアーについて冷静な状態で評価され、レビューが下がるそうなのでお客にとって高揚感が高まっているツアー後が効果的なのだ。
POINT5 参加したお客様が自分のファンになるために
最後に、お客様に自分のファンになってもらうためのノウハウを教えてくださった。
次の言葉がはっちゃんのメッセージである。
「流暢な言葉だから伝わるわけではない。
言葉をどう理解し、どう伝えたい、どう思ってもらうかを理解した上で話すこと」
はっちゃんはイギリスに1年間留学した経験もあり、英語を使った仕事をしようと
大阪で船のガイドをしていた。その時に自分の英語がお客様に通じていない経験があった。そこで現場に出て気づいたことが、
「英語って世界共通語であっても、人によってできるできないがあるんだな。」
人によって話す英語の発音の特徴があるため、聞き取りやすさも人それぞれ異なる。
だからこそ、流暢に英語を話すのが決して重要ではないということにはっちゃんは気づいた。
そのような経験を経たはっちゃんがファンを作るためのポイントとして教授してくださった
言葉が、
「流暢な言葉だから伝わるわけではない。
言葉をどう理解し、どう伝えたい、どう思ってもらうかを理解した上で話すこと」
独りよがりに英語を発するのではなく、コミュニケーションツールであるその英語をどう伝え、どう印象づけるかといった部分の重要性を教えてくれた。
質疑応答
◆YoutubeやFacebookのPV数を増やすにはどうすればいい?
A:Facebookであれば、30秒など短めにすること。また自分だけでなく、地域の人も動画に入れること。「お店来てくださいね~、待ってま~す」みたいのでいい。雰囲気が伝わる上、地域の貢献にも繋がる。
◆自己紹介でお客様のハートを掴む方法は?
A:自己紹介でワンフレーズをつける。はっちゃんの場合だと、「おおきに、ビキニ、ズッキーニ」
◆コロナ過で対面のツアーがなかなか出来ないという状況で悩んでいることは?
A:今まではっちゃんのツアーに参加した観光客が、はっちゃんのことをまだ覚えているか分からないこと。ただ、意外と覚えてくれているし、Youtubeチャンネルを開設し、自ら発信しに行くことではっちゃんのことを記憶に留めようと努めている
まとめ
畑中様のお話を受けて、「ツアー参加者の心をつかむために工夫していることを聞けて良かった。」「ツアーを実施する側も楽しむために、参加者に教える情報を毎回変えるなどの工夫も初めて聞いたので興味深かったです。」といった参加者の好評をいただくことができました。
一つ一つのPOINTにメッセージ性があり、非常に伝わりやすく、実際はっちゃんのガイドに参加しているのではないかと思うくらい終始一貫楽しい雰囲気でセミナーの時間を過ごすことができました。
今回の講演を快諾してくださった畑中様、そして参加者の皆さま、本当にありがとうございました。
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