MACHIBIYAセミナー

【開催報告】日本初のオンラインバスツアーの仕掛け人に聞く「オンラインの活用術で地域を盛り上げる秘訣とは?」【第81回MACHIBIYAセミナー】

こんにちは!MACHIBIYA 編集部です!
2021年3月22日に、第81回MACHIBIYAセミナーを開催いたしました!

今回のテーマは『日本初のオンラインバスツアーの仕掛け人に聞く「オンラインの活用術で地域を盛り上げる秘訣とは?」』でした。

講師に香川発のオンラインバスツアーの立役者、琴平バス株式会社企画開発執行役員の山本紗希様をお招きし、ご自身の経験をもとに、観光業界のオンライン活用やリモートワークでの事業開発についてご講演頂きました!

 

こんなセミナーでした!

POINT1 観光事業のバーチャルとリアルの融合

POINT2 リモートワークで観光事業開発

山本紗希様プロフィール

大阪出身。四国と関西を行ったりきたり2拠点で生活中。テレワークマスター。
2020年5月から、世界初のオンラインバスツアーを企画・開催。
実際に現地の映像などを交えながらバスツアーの雰囲気を再現。
所属:琴平バス株式会社 企画開発部 執行役員

POINT1 観光事業のバーチャルとリアルの融合

■香川オンラインバスツアーの取り組み

前々日に特産品・旅のしおり・シートベルトが届くことでツアーに参加する前のワクワク感を演出している。オンラインバスツアー参加時には、プランナーがお出迎えして空港から目的地までの車窓を案内してくれる。現地に到着するとライブ中継に切り替わり、様々なローカルスポットを巡るツアーとなっている。

■オンラインバスツアー立ち上げの想い

オンラインバスツアーを企画する際の社員の反応は「オンラインの旅行なんて旅行ではない」「オンラインの旅行でお金をとれるわけない」など反対の声があったが、世の中にオンラインサービスが溢れてきたことを機に「自分たちもやってみよう」と決意する。「バスツアーを待っているお客様に早く会いたい」という想いのもと、山本さんと琴平バスの社長二人だけで企画をスタートすることにした。

コロナ禍でバスツアーの存続が難しいと言われているが、バスツアーならではの知らない人同士での旅行の楽しさをオンラインで再現できたらと思っている。地域のファンをつくってリアルに送客することや琴平バスのファンを創ることを通して、日本一のオンラインバスツアーにしていくことを目指している。

■オンラインバスツアーでのこだわり

参加型になるような工夫としては、定員15名までのツアーにすることで全参加者と繋がれるようにしている。また、参加者に画面上でボディーリアクションをしてもらう練習をしてからツアーをスタートするように工夫している。さらに、クイズや歌を一緒に歌ったり、事前に送った特産品を参加者と一緒に食べるなど時間を共有するきっかけを作っている。

オンラインバスツアーの重要なポイントとしては「没入感」「人」
「人」:プランナーやガイドは演者になりきれるかが没入感のポイントとなっている。
「没入感」:ツアー中、参加者の背景をバス車内にしてもらうことや、バスの車窓をながすこと、バスのエンジン音を入れるなどの本物のバスツアーであるかのような演出の工夫をしている。

■オンラインバスツアーでの地域にとってのメリット

直接地域への来訪が無くても、地域の特産品をつけたツアーで足元の売り上げを確保している。地域の特産品を購入してもらう仕組みとして、ツアーの中で、地域の道の駅でしか買えないようなものを購入することができるライブコマースを取り入れている。

介護が必要な方や高齢の方で旅行に行けない方がオンラインバスツアーで旅行するという新しい旅行スタイルも生まれている。

POINT2 リモートワークで観光事業開発

■リモートワークでの働き方

リモートワークだと成果ベースでしかその人を評価できず、どのくらいこの仕事に苦労したかが見えずらいことが問題だと感じている。社内では仕事管理ツールを社員で共有して、毎日今日の仕事を書き出して、終わり次第バツをつけるようにしている。そうすることで、自分自身の仕事を管理することに繋がり、また、周りの人に自分の仕事を理解してもらえるように工夫している。

報連相は当たり前だが、自分発信力や周りに助けを求めることが大切になってくる。
自分のできる仕事の量を把握しておくことがポイント。

質疑応答

■オンラインバスツアーの主な客層は?
A:40、50、60代の方が主な客層となっていて、中でも50代の方が多いです。これまでに関東の方が多く参加されています。リピーターになってくれる方も多くいます。

■企画時に上がっていた婚活バスツアーを実現できなかったのはなぜですか?
A:婚活バスツアーはMCが難しいというハードルがあって、MCが相当上手くないと成立しないので、クオリティー再現が難しいです。

■貸し切り15人のオンラインバスツアーと一般のオンラインバスツアーの作り方の違いはありますか?
A:留学生の貸し切りの際は難しい単語はチャットでフォローを入れたりしています。聴覚障害者の貸し切りの際は字幕を入れるようにしています。

■オンラインツアー中ののトラブルをなくすための対策はしていますか?
A:オンラインに不安がある方は琴平バスの社員と一緒にZoomの練習ができる場を設けています。そこでのコミュニケーションがお客様との関係を構築することにも繋がっています。

まとめ

山本様のお話を受けて、オンラインバスツアーで大事なポイントとしてプランナーやガイドがいかに演者になりきれるかが重要だとおっしゃていたことが非常に印象に残りました。観光にオンラインをどのように活用していくのかのヒントがたくさん詰まった有意義な講演でした。

今回のテーマに関して参加者からは、「オンラインツアーに自由時間を加えたらいいのでは?」「より様々な業種の人とオンラインツアーで関わることができればより面白いものになるのでは?」「五感を刺激されるようなツアーにすることでオンラインツアーにより没入感を感じられるのでは?」といった様々な意見を聞くことができました。

今回の講演は、学生参加者にとって観光業界のオンライン活用やコロナ禍でどのように地域を盛り上げていくかを学ぶヒントになったのではないかと思います。

今回の講演を快諾してくださった山本様、そして参加者の皆さま、本当にありがとうございました。

 

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