イベント開催報告

【開催報告】「デベロッパーのリアルに迫る!」日鉄興和不動産企画

こんにちは!MACHIBIYA編集部です!

2020年9月24日に、デベロッパー志望者向けのオンラインセミナーを開催いたしました!
今回は日鉄興和不動産様ををお招きし、『デベロッパーのリアルに迫る!
をテーマに現場に方とのクロストークや、座談会が行われました。

こんなセミナーでした!

<ポイント>
★地域開発のプロ同士の対談からの質の高い情報
★一社参加ならではの「日鉄興和不動産のこだわり」についての言及
★アフターコロナにおけるデベロッパー業界は変化必須⁈
★インターン参加だけではない!デベロッパー業界就職への準備

 

クロストーク

日鉄興和不動産現場社員の佐藤様と地域ブランディング研究所代表の吉田によって、主にコロナウイルスの影響を踏まえたデベロッパー業界の動向についてのクロストークが行われました。

■デベロッパー業界へのコロナの影響はあるのか?

日本中で仕事の仕方や生活様式が変化したため、今までの延長線上で物事を考えられないのは事実。
人々の住まいに関する考え方の変化をとらえることで新たな需要を捉えていくことが重要。

■住まいへの考え方の変化とは具体的にどんなものなのか?

コロナ以前に住宅に求められていたものは、都心部に位置しつつ低価格な物件だった。そのため面積の縮小によってコストを削減していた。しかし、コロナ禍では、在宅勤務が増え住まいに”仕事場”という側面が求められるようになった。実際に、狭くても良いので一家に一部屋書斎を備えた物件や、住宅の共有スペースにコピー機を導入しオフィス仕様にした物件などがすでに商品企画されている。

■コロナショックはリーマンショックと似ているといわれているが、当時のように仕事は減少してしまうのか?

確かに、これまで通りというわけにはいかない。しかし、デベロッパーの仕事は人々の生活に大きく関わる規模の大きなものであるため、需要は減るのではなく変化していくのではないかと考えている。

■コロナ禍における都市部と地方の関係性に変化はあるのか?

コロナ禍で地方の価値が見直され始めている今、地方と今後どのようにかかわっていくかは確かにカギになる。
しかし、都市部にある会社に出勤し、対面で行う仕事の価値が認められている以上、単純に地方重視に傾いた世の中になるかといわれるとそうではないだろう。

■リモートワークが進み都市がいらないのではとも言われる今、都市の魅力とは一体何か?

人は本能的に気持ちの良いところで生活したいので、今までの暮らしが変化していくことに価値があるのではないか。例えば以前までは駅近の物件が好まれ、満員電車に押されて通勤し、密な環境で仕事をする事が当たり前だった。しかし、これからは駅から少し離れていても緑の多い地域が好まれるようになるのではないか。
コロナによって多様な価値観を受容できるまちづくりを考える良い機会を得たのではないかと考えている。

■デベロッパー業界は都市開発のイメージが強いが、地方の事業にも関わることはできるのか?

日鉄興和不動産に限った話では、元々地方にも積極的に事業展開をしている企業。例えば、製鉄所周辺の開発や北九州の開発には力を入れている。
また、デベロッパー業界全体を通して、今後はリモートワークの浸透によって勤務地と住まいに離別が進むため、地方でも都市水準の生活環境を提供する事が受け入れられるのではないか。

■日鉄興和不動産さんは、このような状況下でも前向きな姿勢で様々なことにチャレンジしているが、今後まちづくりに関わる人間に求められるものは何かあるか?

デベロッパーは多くの人と関わり、その層や幅はとても広い。したがって、いろいろなことに興味のある人が求められるのではないか。私自身、月に40冊の雑誌、しかも全く興味のない分野の物を読むことを自分に課している。興味のある事柄は検索エンジン等を通じて自然と目に入るが、興味のない分野に関しては自分から無理やりにでも知識を詰め込むことが求められる。こうすることで広い視野も得ることができる。
また、自分なりのこだわりを持っていることは大切。まちづくりには正解というものがない。だからこそ、エリアや物件の担当者だけでも強いこだわりを持っていないといけないのではないか。

■最後に就活生にメッセージを!

デベロッパーはよく、規模が大きい事業を展開している業界だといわれる。確かにそうだが、一般社会では認知はあまりされていないため、社会の中の縁の下の力持ち的な存在でもある。大学で学んだことを社会に還元し、支えていくということにやりがいや楽しさがあると思う。
また、就活においては、様々な企業や人の話を聞いて、自分にとって”働く”とはどういうことなのか軸を作ることでとても前向きになれると思う。

2チームに分かれての座談会

第2部の座談会では、就活生が2チームに分かれて、20分づつ日鉄興和不動産様と地域ブランディング研究所との座談会が行われました!
ここでは日鉄興和不動産様、地域ブランディング研究所に寄せられた就活生の質問とその回答を紹介します。

【日鉄興和不動産チーム】

日鉄興和不動産様と就活生との座談会ではデベロッパー業界の現場で働いている方からならではの具体的なお話を多く伺うことができました。

■テレワークが加速する中で、家族の時間を作るために住宅はどのように変化するか?

これまでの開発は住居の利便性や交通アクセスを重視していたが、これからは「家での暮らし」にフューチャーしていく。
例えばこれまでは家族そろって食卓を囲むのは週末のみという場合が多かったが、家族そろった食卓が増えてきた。今まで注目してこなかった「家でご飯を食べる」という点に注目する必要が出てきた。そのため、現在雑誌社と凝らばしてどういうキッチンが良いのか実際に検討中である。

■コロナにおけるビル事業のテナント減少が見られるが、この時代においてもビル事業は継続させるのか?変化はあるのか?

オフィス事業はもちろん、住宅事業も含め需要に変化はあるが、その中でもオフィス事業の需要は存在している。
都心のオフィス事業は、コロナ以前から増加傾向にあり、コロナ後も賃料をあげてもらっている企業もある。零細企業に関しては確かに、オフィス縮小の意図を持っている方もいるのは事実。
オフィス事業に関わらず、商業テナントはダメージが大きかったが、今後は各テナントがこの状況下で利益を得ることを目指しており、それをサポートしていくことで事業を維持していく必要がある。
総じて、マーケットに変化はつきものだがそれに応じて自分たちも変化を起こしている。

■開発の中で日鉄興和不動産だからできたこと、できなかったことはあるか?

若いうちから事業の前線に出ることができる点はメリットだと思う。
事業のリスク配分などは今後行っていく必要があるだろう。

■「地方の方に寄り添う」という点で他社と異なる点や心掛けていることは?

まちは時間が経過するにしたがって周りのニーズが変化していくため、社会問題に答えながら、地方都の都市として一番必要なまちづくりは何か一つずつ寄り添っていくことを大切にしている。
例えば、八幡東田総合開発では、製鉄業自体の変容が起こってしまったことが前提としてあった。現在は1000人程度しか製鉄業従事者がいない状態。そこで、雇用を生みだすために遊園地を作りそれに付随して付近のマンションや商業施設を建設し、活かしていく。
物件ができた後、その地域がどのように回っていくのか、コミュニティがどのように育まれるのかということが本題であり、提供すべき仕組。
このように、その瞬間だけのまちづくりで終わらせず、責任をもってまちをつくりつづけるという姿勢が強みである。

■MAASについて、住民の利便性以外に関わることはあるのか?現在は都内の分譲マンションだけだが、今後展開されるのか?

現在は物件専用のバスを運営しているが、それがゴールではない。住民に新しい価値を提供することがポイント。
例えば、都内の女性はコストコに行きたいか。現在は移動手段がないことによって発掘や解決されていないニーズがあった。そこを補っていくことで新しい価値を生み出すことができるのではないか。

■顧客の要望を聞くために行っていることはあるか?

今までは、分譲マンションを引き渡した後に顧客と接点を持つということが難しかった。しかし、現在は入居者向けのアプリを作り、アンケート機能を導入している。この取り組みによって顧客との接点や次回の商品開発へのヒントを得ている。

 

【地域ブランディング研究所チーム】

デベロッパー業界全体の動向やデベロッパー就職に向けた就活対策についての質問が多く寄せられました。

■インターン参加以外に本選考に向けた対策はあるか?

①全体のスケジュールを把握する事
いつ選考が始まるのか、いつまでにESを完成させればよいのか…等
②各デベロッパーの代表物件を見に行く
企業ごとの特徴や、課題点、問題点を自分なりにまとめ、掘り下げる
(実際に最終面接で質問された例もある)

■街歩きでの注目ポイントは?

デベロッパー業界は収益性ありきの業界のため、どこまで収益性に振り切っているのか、はたまたどのくらいの程度で地域性を重視しているのかを見ると良い。
また人の流れはあるのかどうかも重要なポイント。いくら形式上収益性我あるといっても人がいなければ意味がないので。

■地方の就活生が東京を知るにはどうすればよいか?

コロナがなければ気になるエリアの沿線に乗って一駅ずつ降りてみるのがおすすめ。
現状では、一気に知ろうとしなくてよい。自分の知っていると土地や物件から広げていくのがおすすめ。人に聞くのも良いと思う。

どんな人がデベロッパーに内定しているか?
まちへの思いや今後自分のやっていきたいことが明確で、かつそれを言語化できる人。
志望動機ではよく企業の良いところを羅列して終わりにしてしまいがちだが、自身の考えを明確にいえるかどうか、企業の方針と擦り合わせることができるかが重要。
内定者の特徴は構造化できる人。原因と課題の因果関係や理想と現実を構造的にとらえる力が必要。

■個人的に面白いと思うデベロッパー企業はあるか?

就活生の間で有名だと言われる企業以外だと、フージャスさん、大阪ガス都市開発さんは小さい企業だが小さいからこそ一人ひとり任される業務のきぼが大きく面白いと感じることができるかもしれない。また、日鉄興和不動産さんもデベロッパーでは珍しい地域を扱っていたり、営業を行わない点は面白いのではないか。

■OB訪問での質問項目は会う人によって変えるべきか?

OB訪問で必ず聞く項目、変える項目を明確にするべき。
変える項目はどういう軸で変えるのかを決めるべき。年次ごとに変えるのか、部署ごとに変えるかなど。

■デベロッパーの立場において、収益性の観点から意見やこだわりがぶつかることが多いと聞くがどうするか?

折衷案をとるしかない。その案の中での割合が大事なのでは。例えば、住んでいる人の思いや地域性を重視する場合、その部分を最初に押し出す。そして、収益性に言及されたら、収益性の縛りの中で努力していく。

面接質問:「地方創生の際に地方住民の賛同を得るにはどうしたらよいか」の意図と正解は?

ポイントは理論的に論を展開する事。
この場合はどうして地域住民が賛同していないのか仮説を立てる必要がある。この仮説を立てることで自分の行動を裏付ける根拠が生まれる。

■面接質問:「モチベーションが下がったときはどうするか」の意図と正解は?

質問の意図は実際の業務を意識し、どれだけパフォーマンスを落とさずに成果を出せる人なのか見られている。

■面接質問:「自社の一番好きな物件を聞かれたうえで、他を追加で聞かれる」自社愛はインターン選考段階でも求められているのか?

インターンの選考はコロナの影響もあり、より本選考に近い状態になっているのではないか。企業側としても、学生との接点が少ない中で早くからかかわってきた学生に目をかけたいという思いがあるはず。
この質問の反対で、自社物件の課題を述べさせる場合もあるため街歩きや物件見学は大切!

■デベロッパー志望の学生の併願業界に傾向はあるのか?

文系:商社
理系:ゼネコンの開発職、面接練習のためにITのベンチャー企業

最後に

イベントの最後には日鉄興和不動産様から、就活生に向けてメッセージをいただきました。
「就職活動では前のめりに積極的に行動していくことが求められる。また、企業がこのようになんでも質問に答えてくれて内情を明かすようなことをするのは就職活動の時くらいで、とても貴重な機会である。その企業に就職しなくても社会人になったときに必ず関わる機会が訪れるため、就職活動に自分の就職先を見つけるだけではなく、社会人の準備と捉え、礎にしていくという心持で挑んでほしい。」

物事に積極的に取り組む姿勢はデベロッパー業界をはじめ、どの業界でも求められる姿勢だと思います。
就職活動を単なる職探しの期間とするのではなく、取り組む姿勢からもう一度見直して社会人の準備を進めていきましょう!

日鉄興和不動産 佐藤晋太郎様

金沢工業大学大学院 工学研究科 建築学選考 サステイナブル建築研究所出身。
大学進学以前は東京に在住しており、両親の仕事の都合でバンコク在住経験もある。
2010年に日鉄興和不動産に入社。1年目は賃貸住宅事業本部にて外国人向け賃貸住宅のPMやリニューアル事業、新規開発案件検討などを担当する。入社後6年目より、住宅事業本部にて、分譲住宅事業を担当し、再開発や戸建て、都心から郊外まで幅広く手掛けている。現在では企画部にて事業戦略構築などバックオフィス的な事業にも携わっている。

イベントのお知らせ

地域ブランディング研究所では、建築業界を目指す就活生と企業が参加する逆求人型イベントを開催します!イベントまでのサポートも充実しており、当日は1日で多くの企業との接点を持つことのできる有意義なイベントとなっています。

「夏のインターンに思うように参加できなかった」
「課題が忙しく、説明会などに多くの日数を咲くことができない」
「じっくりと企業と話がしてみたい」
「本選考に向けたESやポートフォリオをもう完成させてしまいたい」

そんな方におすすめイベントとなっております!イベントの詳細は以下からぜひご覧ください!

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