MACHIBIYAセミナー

『NZから学ぶ住民参加のまちづくり』【第68回MACHIBIYAセミナー開催報告】

こんなセミナーでした!

 

POINT1:NZの「褒める」文化が高める、まちの団結力。

POINT2:まちづくりの主役は誰?すべての決定権は住民にある!

POINT3:キーワードは「ダイバーシティ」と「インクルージョン」

 

第68回MACHIBIYAセミナーは、Kiwi-J-Ana Ltd.の代表であり、まちづくりに関してNZと日本の双方向ビジネスを展開する及川孝信(おいかわたかのぶ)氏にご講演いただきました!

 

NZの褒める文化を実践しよう

 

(アイスブレイクの進行を終えた司会者にNZのチョコを渡して)

ありがとう!すばらしいアイスブレイクでしたね!

このようにニュージーランドは褒める文化です。

そんなNZ流のまちづくり疑似体験ワークショップをやってみましょう!

 

では、ワークショップのルールを説明します。

 

1)筆記用具はしまう。ワークショップはアウトプットのためにあり。

2)デバイスOK!リサーチ、メモ、写真撮影、デバイスはすべてのツールになる。

3)しゃべれば喉も渇くので、ドリンクボトルもいつでもOK!

4)ダイバースなグループを作る。

5)発言するときは、人差し指を立てたNZ流で手をあげる。

 

ダイバースってなんですか?

参加者:多様性、ごちゃまぜ、さまざま…

 

そうですね。では普段会わない人、初めての人、男女、年齢、国籍…なんでもごちゃまぜのグループを作ってください!

 

まちづくりこそダイバースです。大学の教授や行政でなく、まちに住んでいるいろんな人がいろんな意見を出し合う、というのがまちづくりです。

 

グループを作ったら、自己紹介をしましょう。

自己紹介をした人を褒めて、シールを貼ってあげてください!

今日の目標はシールがなくなるまでお互いを褒めることです。

楽しそうにシールを張り合う参加者の皆さん

 

まちづくりの主役は行政でも専門家でもなく、住民

 

では、あらかじめいただいた質問を見ていきましょう。

(※今回はのセミナーでは、参加者から予め聞きたい内容を募集しました。)

 

Q1. NZのライフスタイル、まちづくりの特徴は?また、NZ内における地域差は?

Q2. NZの子育てとまちづくりの相互関係は?

Q3. 福祉制度においてNZと日本の違いはあるか?

Q4. 一般住民が公共空間をうまく活用できていない日本は、NZの公共空間の運営管理から何を学べるか?

Q5. 住民参加における市民はどう選ぶべきか?意識が高い人だけなのか?

Q6. NZにおける地域活性化プランの実例は?

Q7. 町並みに関して、NZならではの都市デザインはあるか?

 

これらの質問は、「市民からの声」なわけです。

そして地域の課題としてディスカッションテーマを設定するのは、市民です。

市民に自己決定権があること、これがNZ流まちづくりの基本です!

今回のセミナーでは、参加者を市民と見立ててディスカッションを行いました!

 

では行政や専門家の役割はなんでしょう?

住民達の意思決定をfacilitate(=手助け)する、make opportunity(=機会を作る)ことが彼らの役割です。

 

このように住民が自分たちで選んだ課題に対する答えは誰が導き出しますか?

住民が自分たちで解を出す、これもNZ流まちづくりです。

 

キーワードはDiversityとInclusion

 

今から、グループごとに話し合って、自分たちで選んだ課題に対して15分でひとつの答えをだしてもらいます。

 

何かを決定するために必要なのは?

質問をかみ砕いて住民が何を知りたいのか、何に困っているのかを理解すること、

そして答えをだすためにリサーチをすることです。

 

(15分後)

それでは各グループに前に出て答えてもらいます!

 

Q2. NZの子育てとまちづくりの相互関係は?

参加者:

マオリの文化を両親が子ども達に教えたり、国がマオリ語でカリキュラムを作ったりしていることがわかりました。

子ども達に伝統文化を知ってもらうこともまちづくりに繋がるのではないのでしょうか。

 

(ご褒美の鉛筆を渡して)

素晴らしいですね!

では専門家として補足します。

 

子育てとまちづくりは、観光にも繋がっています。

NZでは観光を1回で終わらせず、「また来たい」「住みたい」と思ってもらうためにも、教育や医療を整備しているんです。何度も来てもらい、住んでもらうことで、税金としてのまちの収入にも繋がります。

まちづくりだけ、観光だけやっていても良くないし、行政に頼みっぱなしでも良くない。

「地域はone unit」と考えて、いかにシナリオを作ってお客を定住させるか、というのがNZの戦略です。

 

それからマオリについても少し話しましょう。

NZの公用語は英語、マオリ語、そして手話です。

NZはすべてを受け入れるインクルージョン(=含める)社会なのです。

 

まちづくりでも同じように、時としてダイバースな考えは空中分解しますが、

それを包括的にインクルードするのがNZの社会です。

 

このように、住民がまず自分たちで話し合って問題を整理し、解決を目指す。

そして彼らに解決できない部分を補うのが、まちづくりにおける専門家のあるべき役割でもあるのです。

 

今の日本に必要なこと

 

NZ流のまちづくりはどうでしたか?

日本人もやろうと思えばできることですが、現状やる機会がありません。

行政でなく、全員が主役であるというcitizenship(=市民権)の意識を持ってもいません。

 

まちづくりに答えはない。本来住民が自分たちで決めることなのです。

そのための仕組みを、日本に作っていきましょう。

 

MACHIBIYAインタビュー

 

ワークショップが盛り上がり、時間となってしまったため、今回MACHIBIYAインタビューは割愛させていただきました。

延長・残業をせずにきっぱりと時間を守るのもNZ流だそう。

 

まとめ

最後に全員で1枚!NZ流のまちづくり、いい刺激になったのではないでしょうか。

 

今回は及川孝信さんをお招きし、NZ流のまちづくりを疑似体験するワークショップを開催していただきました。

 

シールやチョコを用いてNZの褒める文化を実践したり、できるだけ多様なメンバーを集めたグループを作ってダイバースを感じたりと、参加者がNZのまちづくりの重要な要素をわかりやすく体感できるワークショップでした。そして、拍手と褒め言葉の溢れる明るい時間でもありました!

 

また、「日本ではまちづくりの課題は誰が決めている?」「行政や専門家が先に話してしまっていない?」と、都度日本との違いに焦点を当ててくださったことで、ワークショップを楽しみながらも、国内の現状や課題を認識する良い機会となりました。

 

NZ流のまちづくりから学べることを、どのように日本に取り入れていけるかについて、是非今後も考えていきたいです。

 

講師プロフィール

 

及川孝信(おいかわたかのぶ)氏
1966年生。28歳でビジネスコンサル会社 を創業。企業の人材採用・組織活性・ 新規事業開発等を受託すると共に、全国自治体協働による地域活性化を推進。東京と地方をつなぐ多くのマーケティングプロジェクトを仕掛け、また若い世代の登用、大学生インターンシップを積極的に取り入れる等「次世代企業経営」を指向する。その後、早稲田大学公共経営大学院で専門修士課程を修了。2009年に家族でニュージーランドに渡る。働き方・家族・教育・公共 の4視点から日本流×NZ流=次世代価値創造をメソッドとしたKiwi-J-Ana Ltd.を設立し、代表を務める。現在では、NZと日本を往来し、インバウ ンド・アウトバウンド双方向のビジネスを展開している。

 

 

その他参考情報

次回のMACHIBIYAセミナーはこちら!

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